しばらく前から思っていたこと(ありきたりの感情)を忘れないように書き留めておく

北海道のミート...事件発覚で、加工食品全般において原材料名をマジマジと確認したところで安心して食べられるものなんかないのだなと痛感した。原材料を特別気にしていることもなければ、むしろ平気で賞味期限切れのものも食べてしまうくらいだけど、小さい子供(うちでは姪)がいるのといないのとでは気の遣い様が違うので、やはり自分の子供や家族がいる所帯だと、今回の事件はかなりの衝撃だったんではないかと思う。コープ関係については"漠然と"であったとしても大半の人が「安心・安全」だと思っていただろうから、コープにあの会社のコロッケが納められていたことが発覚したことで余計に安心できない感が増したんじゃないだろうか。実際、うちの母親は、普通のスーパーのミンチには何の肉が混ざってるかわからないので、コープのミンチしか買わないと言っていたくらいだ。それなのに・・・である。

食品メーカーに勤めている身としては由々しき事態であり、ユーザーへ提出する原材料規格書などに目を通す業務にも携わっているので、ああいうことが起こると正直とても残念な気持ちになる。うちの会社については、原材料は1品目しかないので誤魔化しようはないけれど、数年前に同業他社では、原材料の原材料(起原原材料)は輸入品を使用していても、一旦国内で加工されたものを原材料としているので、国産と表示されていたことがあった。不法とまではいかないのが現状で、法の目を掻い潜ってギリギリの線で誤魔化すことは可能である。

数年前に比べると原材料表示などがかなり厳しくなり、各加工食品メーカーは大変な思いをしていることだろうと思う。ただ、あの事件のように消費者を侮辱するかのようなひどい誤魔化しがまかり通ってしまったのは、書面だけを信じて事実を確認しなかったことにあるのだ。商品を仕入れた後に不正が発覚した場合「損害賠償訴訟」などで賠償金を取ることができるけれど、口にしてしまった末端消費者の体や万が一不慮の事態になってしまった場合、それはどんな方法でも元に戻ることはない。あの一件で、加工食品メーカー全般に厳しい目が注がれることになったのは明らかだが、残念ながらいまの日本では商品の実態を調査する機関はないので、これから先も本当に安心できる商品が販売されるかと言われればノーである。

ミート...の社長が漏らした「低価格化」も問題はあるけれど、本当に良いものをきちんとした形で提供する強い意思があれば防げたことであるし、例えばこれから先"食品衛生法"などによって、加工食品全般の原材料規格書の作成についてのマニュアルを作り、フォーマットを統一することになれば多少は不正を防ぐことができるかもしれない。本当に安全で安心なものを流通させようとするならば、世の中に出回っている加工食品をすべて分析し原材料の報告に偽りがないかどうかを調べる機械ができなければ可能であろうが、今現在、そのような機械があるかどうかは不明だ。

この事件によって、世の中の多くの加工食品メーカーがどう変われるかが問われていると思う。我が社も然り。目先の利益に捕らわれず、いままで通り食品を製造するメーカーとして「安全・安心」な商品を消費者に提供していくという意識と、人としての自覚を決して忘れないようにしなければならない。