失はれる物語/乙一

オムニバス。読めば読むほど胸が詰まり息苦しくなる話ばかりだ。タイトルにもなってる『失はれる物語』は特に苦しい。主人公はある日突然事故に遭い、突然暗闇の中に放り出される。見る事も聴く事もできず体の機能のほとんどを奪われた彼ができるのは考えることだけ。意思表示ができず自ら命を絶つこともできない苦しみがありありと伝わってきて、読んでるあいだ何度も叫びだしたい衝動に駆られる。

追記--
半分あたりからだいぶ救いが見える話になってきたけどそれでも悲しい話ばかりである。『しあわせは子猫のかたち』は夢があっていいな。

失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)