金曜日とにかく真っ直ぐ帰るには心もとなくてなんだかヤツと会いたかったのもあって声をかけてみた。あっさりアポが取れ、迎えに来てもらってからめずらしく食べたいものがあるというので店に向かうと開店前。車の中でヤツは一眠り、私は持参したシティ情報誌を眺めて過ごす。「ここで寝るってことは今日も早く帰されるってことか…」と思いながら。時間になったので店に向かうとすでにいっぱいで。気になったグリーンカレー麺は売切れだったので、ネギ油そばとネギつけ麺を注文する。油そばはしっかり味がついていたがつけ麺はつけ汁の味が薄くて最後には寝ぼけた味に。つけ汁のゆで卵溶かしたみたいな味はおもしろくて良かったけど。

食べ終わってから早々に送り届けられようとしたのでボーリングしようぜーと提案してみたら麻雀の話になってではではとりあえずラウンド1に行ってみようよ、ということに。麻雀とかスロットとかビリヤードとかやって最後にまた麻雀。後半教えてもらいながらやってたらいつのまにか4時に。眠いって言ってたわりに元気やなあと思って車に乗り込んだ途端、ヤツの目がとじかけていることに気づく。うちまで送ってもらって帰すと1時間以上かかる。「ひとりで帰れる?」と聞くと「送ってくかうちに行くかしかないよね」と。「じゃあいいよ、きみんち行くよ」となって「大丈夫なの?」って。はじめて聞いたよそんな言葉・・・。

一緒に眠るのは何ヶ月ぶりだろうか。いままでと変わらないパターンでヤツが先に寝ていて、布団に潜り込むと私の場所にはヤツの腕が伸びている。今回もちゃんとそこにあることにホッとして当然のように頭を乗せてくっついて目を閉じる。少しだけこっちに体を向けて逆の手が私の背中に回ってくる。なかなか寝付けない私はヤツの寝息を聞きながら逡巡する。そうこうしているうちに眠りがやってきて、落ちる手前でヤツが少しだけ体を離し目を薄っすらと開ける。私の顔を見てまたすぐ目を閉じたら今度は頭を撫でる。その行動にうっとりしながらもまたもや逡巡する。そのうちに眠ってしまうのだがなかなか熟睡はできない。ふわふわと現実と夢のあいだを行ったり来たりしているあいだに、キスをされることがある。ぼんやりした意識が一気にシャキッとするのだが、そのあとにギュッと抱きしめられることがあったとしても、そのままヤツは眠りに落ちるのでその先はない。

これを繰り返しながら昼になり夕方になり、結局丸1日眠っていた。夜に予定があったのでまだ眠っているヤツに一言だけ掛けて帰ってきたのだが、考えれば考えるほどわからなくて、だけど嫌いじゃないから切なくもあり、日曜月曜もずっとそのことばかり考えて調子が悪かった。こちらの思惑は読まれているんだろうしヤツの手の平の上で踊らされていることに違いないけど、なんだかすっきりしない。この状況ってとにかく健全じゃないよなと思う。