忘れないようにまとめておこうと思って下書きに保存したまま数日。仕事が忙しいのもあるし衝撃的なことで打ちのめされて(いまはそうでもないけど)今晩の予定はお断りしといた。



先週末、カンボジアに決定して飛行機のチケットを手配。バンコクからシェムリアップがリクエスト待ちだったので2日待って、そのあいだにもたくさんのホテル情報やら現地ツアーの情報やらを調べて、チケット確約取れたと連絡があったところで、てんぱったヤツから電話あり。いきなり「キャンセルできるかな?実家で大事件が起こってね・・・」って。ちょっと前に後輩が急死したという訃報を聞いたばかりだったから嫌な予感がしたけど、それならそれではっきり言うだろうしそもそも今から送別会には出ないよなあと思い直して、ヤツから再度連絡があるのを待った。

夜遅くに電話があって「母ちゃんが離婚するって言い出してさ」って。熟年離婚なんて珍しくないから、なんだーそんなことかーと思ったんだけど、黙って聞いてると原因はお父さんが働いてないってことで、闇金サラ金ではないものの借金や税金滞納がかなりの額あるとか。額を聞いてすぐさまヤツの貯金通帳が浮かんだ。ヤツの年齢にしちゃ大金持ってるわけだけど、それ全部かよ・・・、と。しかも仕事がないってことは戻ってくる見込みがないどころか、永遠に払い続けなければならない税金を払っていくことができないのだ。

お母さんとの電話の後には、妹、弟、お父さん、叔母さん、おばあちゃんに電話をかけまくり、いろいろと探ってみたようだけど、詳しく知ってたのは妹だけだったようだ。妹が物心つく頃にはヤツは家を出てしまっていたのでヤツはヤツで妹との距離を感じていたようだし、妹は妹でお母さんの状況を相談したくてもきちんと話をしたことないお兄ちゃんに相談することができなかったと泣いていたらしい。極めつけはお父さんで「オレが甲斐性がないからダメなんだ。(お母さんのことは)嫌いじゃないから別れたくないけど、俺が消えればすべてうまくいくんだから離婚して構わない。子供たちからお金をもらって生活してることも知ってるから情けない」と言って泣かれたと。父親が泣いたのなんて今までに見たことないと言ってかなり落ち込んでいた。お父さんは一生懸命仕事を探しているようだけど、山奥の寂れた温泉街には仕事がない。少し離れた街に出たところで還暦のお父さんを雇ってくれるところなんてほぼないに等しいだろう。なかなか状況は厳しくてヤツには「せつなすぎる・・・」ばかり言ってたような気がする。

タイミングよく代休消化で長期の休みを取ってたので2週間でなんとかカタをつけたいなと。借金返済の話になった時「100万くれー(そんな額ではとうてい足りない)」と言うので「あげたいのはやまやまだけど気持ちと100円で勘弁してくれ」と言うと「ずっとそういう風に言っててくれ」ってかなりの弱気発言。「やっぱ家に居るのが一番だね。家に居た方がいいよ」とか「家の中がどんな風になってるかちゃんと把握してる?」とか、珍しくマイナス発言ばかり。極めつけは「聞いてくれてありがとう。地元の友達とも疎遠だからほんと助かった」って言ったこと。ありがとうだなんて滅多に言わないのでびっくりして「よかったねー私がいて!たまには役に立つねー!」とチャカしたら「いつもいろいろしてくれて悪いなあとは思ってるんだよ。あんまりわかんないかもしれないけど」と真面目に返ってきた。ますますびっくりして「ぜんぜんわかんないよ!」と笑ってごまかしたけど、滅多なことで弱音を吐かないし感謝の気持ちなんて言わないから、とことこん弱ってんなあ、かわいそうだなあと思って私が泣きそうになった。「まあ人はひとりじゃ生きてけないからね」と言うと「んーでもそうならないようにがんばってきたし、ひとりで生きてくことが理想なんだけどね」と往生際の悪い発言もあったけど。

翌日は債務整理や自己破産のことを調べたり従妹にメールで聞いてみたりの情報収集と、夜は取引先関係のパーティが終わった後にご飯買って様子を見に行った。真っ暗な部屋で布団に入って携帯いじってる姿みたらヤバイなあと思ったけど「ご飯あるよ。食べる?」と言うと起きて完食したから、まだ大丈夫だなあと。しんみりした話はアレだからパーティの話をしたり景品でもらったヨーヨーで遊んだり、事件のことについてはあまり深く話さず、実家に帰るルートや時間を調べたくらいで終わり。さすがに寝れなかったと言うので薬飲んで寝なよーと言って帰ってきた。翌日は修斗の日だったから気分転換がてら行くようにメールして、月曜日に帰ることに決まったというので土日は荷物まとめに行った。土曜日に行くと電気がちゃんと点いててちょっとすっきりした感じで。少しは元気になったみたいねーと言うと「母親から電話があって、借りようとしてた部屋はキャンセルして離婚しないことにしたからもう帰ってこなくて良いって言われた。激情型のB型だからなー」とちょっと笑ってた。着なくなった洋服を選別して段ボールに詰めて、布団干して洗濯して掃除機かけて床拭いて、宅急便を出しに行ったりチケットの支払いに行ったりしたらあっという間に夕方。働いた報酬は、着なくなったTシャツ数枚と帽子、450円のごぼう天うどんだった。

日曜日の朝早くにお父さんから電話がかかってきた。会話が聞こえてきて「履歴書あちこち出してるから」という内容を何度も繰り返し言ってた。「まあ、焦らなくていいからさ」て優しいお兄ちゃんの言葉。「明日帰るから」と言うと、数日前は良いことなんてないから帰ってくるなと言ってたお父さんが言葉に詰まったのかしばらく間が空いて「じゃあ兄ちゃん気をつけて帰ってこいよな」とちょっと弱気な感じで会話終了。なんかもう聞いちゃいけない話だったよね・・・と思いつつ聞こえてることはわかってるわけで「お父さんがんばってるね」とだけ言っておいた。


月曜日、うっかり知ってしまったヤツのついったーIDを通勤電車の中で検索。あったあったーと喜んだのもつかの間、プロフィールに"ちょっとだけ婚活中"って書いてあるのをみつけた。しかもID登録したの土曜日だし・・・。福岡の女の子ふたりとやりとりしたり、婚活中の人を拾ってくるbotをフォローしてたりと、血の気が引くのと同時に「ついったーで婚活かよ・・・」とちょっとがっかりもした。ヤツに対してやってることは私の勝手でやってることだし、半ばうまくいかないだろうなあと思いながらも、人としては尊敬できるから友達として続いてるわけで、今回のことだって大切な友達が渦中にいれば私はできる限りのことを精一杯しただろう。見返りなんて期待しないでやってるけど、それでもここ一ヶ月ほどの異常な優しさとか、ありがとうと言ってくれたこととか、そういうことを思い返すとやっぱり少し期待してたこともあったわけで、あんなにてんぱってた人がその最中についったーで婚活はじめちゃうなんてショックで仕方なかった。見なけりゃ知る由もないことを興味本位で見ちゃったばっかりにそんな事実を突きつけられて、一生懸命考えて時間割いてやってきた数日間がバカみたいに思えた。どれだけのことがあろうとも私とどうこうなる気になれない、ということ。私だって過去にはそんな人がいた。だから仕方ないことだと思える。これが現実なんだよ、目を覚ましなさい、というお告げかな。カンボジアはまだどうなるかわからない状況。私はやめた方が良いよ、と言ったけど、なかなか行く機会もないから行っておきたい、と言ってた。向こうに行けばまた気持ちも変わるだろうし、決まるのはGW明けかな。もし行くことになったらどんな気持ちでカンボジア行けばいいのかなあ。